アニメ・映画・ゲームに出てくる家を再現しながら、間取りの謎を考察している「まね築」です!
今回は、いつものようなゲームやアニメに登場する建物の再現ではありません。
テーマはずばり、「最凶の家」。
風水、家相、土地の条件、古くからの風習、そして現実的な住みにくさ——あらゆる角度から「よくない家」の要素を徹底的に集めて、オリジナルの間取りとして設計してみました。

目指したのは、ただ不便なだけの家ではありません。住んでいるうちに、じわじわと心身を削っていくような家です。風通しが悪く、暗く、動線が悪く、落ち着かない。そこに風水・家相のタブー、オカルト的な不吉さ、現実的な住みにくさを重ね合わせた、いわば"呪われた設計"です。
※風水・家相・建築については書籍などを参考に独学で調べていますが、専門家ではありません。解釈に誤りが含まれる可能性がありますので、あくまで創作・考察としてお楽しみください。
そもそも「風水」「家相」とは何か
風水とは
風水は、中国発祥の環境哲学です。「気」と呼ばれるエネルギーの流れを整え、運気を高めることを目的としています。土地の形、方角、道路や水の位置、建物の向きなどを総合的に見て、良い気を取り込み、悪い気を避けることを目指します。
一見するとスピリチュアルな印象がありますが、内容によっては日当たり・風通し・湿気・動線・防犯性・心理的な落ち着きなど、実際の暮らしやすさに深く関わる知恵として読み取れるものも多くあります。
家相学とは
家相学は、風水の影響を受けながら日本で独自に発展した、住まいに関する占術です。間取りや方角、玄関・水回り・火を扱う場所などの配置が、住む人の健康・運気・人間関係に影響すると考えられています。
風水も家相も、本来は住まいを整えて暮らしを良くするための考え方です。しかし今回は、その逆。避けた方がいいとされる条件を徹底的に集め、運気が下がり、心身が削られる家を設計していきます。
立地 ——土地そのものに呪いを込める
まずは立地から考えます。
北が低く、南が高い土地
風水では、北を背にして南へ開けた地形——つまり北が高く南が低い土地が良いとされることがあります。背後に守りがあり、前方に開けた地形は、気が安定して留まりやすいとされるからです。
そこで今回は逆にします。北が低く、南が高い土地。良い気が家に留まらず、南側の高い地形へ向かって流れ出てしまうような設定です。さらに南が高いため、日当たりも遮られやすく、家全体が年中暗く、湿った印象になります。
T字路の突き当たり

家の位置は、T字路の突き当たりに置きます。
風水では、このような立地を「路沖殺(ろちゅうさつ)」または「槍殺(そうさつ)」と呼びます。道路から向かってくる気が、まるで槍のように家に直接ぶつかってくるイメージです。玄関が道路の正面に来ている場合は、凶意がさらに強まるとされています。
現実的に考えても、車のライトが家に直接入りやすい、視線が集まる、事故の不安がある……と、落ち着いて暮らしにくい場所です。
池を埋め立てた跡地
さらにこの土地は、もともと池を埋め立てた跡地という設定にします。地盤沈下・液状化・湿気といった現実的なリスクを抱えるうえ、陰の気がたまりやすい土地と見なされることもあります。
そして、家の隣には埋め立てきれずに残った池を配置。水場は風水では重要な要素ですが、よどんだ水や管理されていない池は陰の気が蓄積しやすい場所とされます。オカルト的にも「水は霊を引き寄せる」という話はよく聞きますよね。
鬼門と裏鬼門 ——不吉な方角を徹底的に活用する
家相で特に重視されるのが、北東の「鬼門」と南西の「裏鬼門」です。
「鬼門」という言葉の由来は、北東が「丑寅(うしとら)」の方角であり、角を生やし虎の腰巻をまとった鬼の姿を連想させることから来ているという説があります。陰陽道においても、北東と南西は陰陽の狭間で気が不安定になる方角とされており、古くから「玄関・水回り・火を扱う場所をこの方角に置いてはならない」と言い伝えられてきました。
鬼門が凶相になると、不動産や財産の問題・親族間のトラブル・子どもの病気・思わぬ災難が起きやすいとされ、裏鬼門が凶相になると、家庭運の低下・夫婦の不和・働いても報われない状況をもたらすと言われています。
鬼門(北東)の方向:放棄された墓地

鬼門の方角に、手入れされず放棄された墓地を配置します。
かつて適切に管理されていた場所が忘れられ、荒れ果てていく——そこに残る残留思念、土地に刻まれた記憶。風水的なタブーに加え、オカルト的な不安要素として家の外側からじわじわと影響を及ぼします。
裏鬼門(南西)の方向:放棄された神社

裏鬼門の方角には、同じく放棄された神社を配置します。
神社は本来、土地を守り清める場所。しかし手入れも参拝もされず、打ち捨てられた神域は、逆に「祟り」の温床として語られることがあります。家は墓地と神社に挟まれる位置関係になります。
家全体の構造 ——不安定で息苦しい外観と間取り


歪んだ形と「欠け」

家相では、建物の形はできるだけ凹凸の少ない長方形や正方形が良いとされています。凹凸があると、その方角の運気が「欠ける」と考えられるからです。
今回は、北西と南東に意図的に「欠け」を作り、家全体の形をいびつにしました。見た目にもバランスが悪く、どこか落ち着かない印象を与えます。
窓の配置
窓は最小限。日当たりが悪く、風も通りにくい設計にします。ただし、鬼門と裏鬼門の方角——墓地と神社が見える方向——にだけ、あえて窓を集中させます。外から悪い気が入り込みやすい構造です。
低い天井
天井は圧迫感を与えるほど低く設定します。毎日過ごす空間の天井が低いと、無意識に窮屈さを感じやすく、気分も沈みがちになります。長く住めば住むほど、知らず知らずのうちに精神を削っていくような設計です。
玄関と廊下 ——入った瞬間から悪い気を招く
玄関正面の鳥居


玄関ドアを開けると、正面に放棄された神社の鳥居が見える配置にします。
風水では、玄関は良い気を取り込む最も重要な入口です。その正面に神社や鳥居があると、家に入るべき気がそちらへ吸い取られてしまうとも言われます。
玄関正面の鏡

玄関を入った正面に、大きな鏡を設置します。
風水では、玄関ドアの正面に鏡を置くことは大きなタブーとされています。玄関から入ってくる良い気を鏡が跳ね返してしまうからです。このような家を「漏財宅(ろうざいたく)」——財産が漏れていく家——と呼ぶことがあります。さらに鏡は、家の内と外の境界を曖昧にするとも言われており、オカルト的にも「魔を呼び込みやすい」という言い伝えがあります。
玄関直前の急階段
玄関を開けると、正面に一直線の急階段があります。踊り場はなし。
玄関から入った気がそのまま上階へ流れてしまい、家の中に留まりません。外からの邪気も直接2階へ届いてしまう構造です。毎日の上り下りがストレスになり、転倒のリスクもある現実的な危険も兼ねています。
一直線の廊下とその先のトイレ

玄関から奥に向かって、まっすぐ長い廊下が伸びています。風水では、一直線の廊下は気の流れが強くなりすぎ、殺気を生むとされる形です。
そして、その廊下の突き当たりにはトイレ。玄関からトイレが見える間取りは、風水的にも避けられがちです。帰宅するたびに目に入り、来客時も気まずく、プライバシー面でも落ち着かない。こうした小さな不快感の積み重ねが、住む人の精神をじわじわと蝕んでいきます。
鬼門の浴室と「不浄」を集めた空間
鬼門(北東)には浴室を配置します。

トイレや浴室などの水回りは「不浄の場」とされることがあり、鬼門や裏鬼門への配置は強く避けられてきました。合理的な観点からも、北東は日当たりが弱く湿気がこもりやすい。そこに浴室を置くことで、カビ・腐食・シロアリなどのリスクが高まり、家の耐久性そのものにも影響します。
合わせ鏡

浴室と洗面所には、向かい合うように鏡を置き、合わせ鏡の状態を作ります。
合わせ鏡は、気が反射し続けることで停滞・乱れるとされます。オカルト的には「霊界とつながる」「異界への扉になる」という話も根強くあります。
鬼門にゴミ置き場と神棚

浴室の隣には土間を作り、ゴミ置き場を設置。鬼門に不浄なものを集積させます。
さらに同じ鬼門の空間に、神棚と祠を置きます。本来、神仏を祀る場所は清浄で落ち着いた空間が望ましいとされます。しかし今回は、湿気と汚れが集まる場所に設置。周囲には枯れた花、刃物、割れた物など、死・穢れ・不吉さを連想させるものを配置します。
リビング ——家族が顔を合わせない構造
この家では、玄関から帰宅した人がリビングを通らずに個室へ行ける間取りにしています。
一見、それぞれのプライバシーが守られるように見えます。しかし家族が自然に顔を合わせる機会が失われ、会話が減り、互いの気配を感じにくくなります。同じ家に住みながら孤立していく——そういった精神的な疲弊が、じわじわと積み重なっていく構造です。
北西のリビングと大きな窓

リビングは北西に配置します。北西は家相では「乾(けん)」の方角で、家の主人の権威や社会運に関わる方角とされることがあります。
そこに大きな窓を設けることで、冬は冷たい北西からの風が容赦なく入り込み、夏は西日で部屋が焼けるように熱くなります。くつろぐはずのリビングが、季節ごとの不快感に満ちた空間になります。
縁起の悪い畳の敷き方
畳のある部屋では、畳の角が十字に交わる「四つ角合わせ」で敷きます。これは葬儀や仮設の場面に用いられる敷き方とされており、日常の居住空間での使用は忌み嫌われてきました。
裏鬼門の台所と地下の井戸
裏鬼門(南西)には台所を配置します。

台所は火と水を同時に扱う場所であり、家の健康運・金運に関わるとされます。裏鬼門に火や水が集中すると、家の気が乱れやすいと考えられています。この台所には、放棄された神社の方角に向けた窓を設置。料理をする場所に、外からの不穏な気配が流れ込む構造です。
地下の汚れた井戸
地下には井戸を作ります。かつて生活に欠かせない水源だった井戸は、深く暗く、底が見えない場所でもあります。ホラー作品でも不吉な場所として定番の存在ですね。
今回はその井戸にゴミを詰め込み、神聖な水場を意図的に汚します。水がよどみ、陰気がたまり、地下から家全体へ悪い気が上がってくるような構造です。現実的にも、古い井戸や地下の空洞は湿気・臭気・害虫・地盤の不安定さなどのリスクをもたらします。
2階 ——眠れない、落ち着かない空間
階段上の鏡と上下を貫く合わせ鏡

階段を上がった先の奥の壁にも鏡を設置します。1階の玄関の鏡と向き合う位置にすることで、家の上下をまたぐ大規模な合わせ鏡のような構造が生まれます。気の乱れが家全体に及ぶ設計です。
梁の下のベッド(首の位置)


寝室では、ベッドの真上を梁が通るようにします。しかも、寝たときにちょうど首の位置に梁が来る配置です。
風水では、梁の下で眠ることは健康運を下げるとされており、梁から発せられる圧迫的な気が人に悪影響を与えると考えられています。心理的にも、就寝中に頭上・首元に重いものがあるという状況は、無意識に緊張を生み出します。実際、長く居住するほど睡眠の質が落ちていきそうです。
寝姿が映る鏡
寝室には、横たわった姿が映る位置に鏡を配置します。風水では、眠っている姿が鏡に映ると、良い気が吸い取られる・眠りが浅くなる・落ち着けないといった考え方があります。
扉の正面のベッド
ベッドは扉の正面に置きます。扉から入ってくる気を直接受ける形であり、心理的にも「背後が守られていない」「いつ何かが来るかわからない」という不安感を生みます。安心して眠れる環境とは程遠い配置です。
他の部屋を通らないと入れない部屋
奥の2部屋は、他の部屋を経由しないと入れない間取りにします。プライバシーが守られず、誰かの部屋を通らないと自分の部屋に行けない構造は、住人同士のストレスと不和を生みやすいです。
三角形の部屋

風水で避けられることの多い三角形の部屋も作ります。三角形の空間は気の流れが安定しにくく、家具の配置も困難。角が多く、視覚的にも落ち着かないため、長く過ごすほどじわじわとストレスが蓄積していきます。
2階鬼門のトイレと神棚の真上

2階の鬼門方向にもトイレを配置。1階に引き続き、鬼門の邪気をさらに強める構成です。
そして、1階の神棚の真上がちょうどこのトイレになるように設計します。神棚は清浄な場所に祀るものとされますが、その真上に不浄の場があるという構造は、家相的に見て相当に縁起の悪い配置です。
まとめ ——この家に住むと何が起きるか
今回詰め込んだ要素を振り返ってみましょう。
立地
- 北が低く南が高い土地(気が流れ出る・日当たり不良)
- T字路の突き当たり(路沖殺・殺気の直撃)
- 埋め立て地と池(地盤不安・陰の気)
- 鬼門の方向に放棄された墓地
- 裏鬼門の方向に放棄された神社
建物と間取り
- いびつな形と「欠け」(方角の運気を欠く)
- 低い天井と最小限の窓(圧迫感・暗さ)
- 玄関正面の鳥居・鏡・急階段
- 一直線の廊下と突き当たりのトイレ
- 鬼門に浴室・ゴミ置き場・神棚
- 合わせ鏡を複数配置(気の停滞・乱れ)
- 地下の汚れた井戸
- 裏鬼門の台所
- リビングを通らずに個室へ行ける動線
- 縁起の悪い畳の敷き方
- 梁の下・扉の正面のベッド
- 寝姿が映る鏡
- 他の部屋を経由しないと入れない部屋
- 三角形の部屋
- 神棚の真上のトイレ
ひとつひとつを取り出せば「ただの迷信」に見えるものも多いかもしれません。しかしよく見ていくと、湿気・採光・動線・心理的圧迫感・防犯性・家族のコミュニケーション——実際の暮らしの質に直結する問題とも深くつながっています。
風水や家相は単なるオカルトではなく、昔の人が長い生活の中で感じてきた「なんとなく嫌な家」「落ち着かない間取り」を言語化し、体系化したものでもあるのかもしれません。そう考えると、現代の住宅設計とも意外なほど重なる部分があります。
今回は、あらゆるタブーを詰め込んだ「住むことで心身を蝕む家」を設計してみました。
皆さんなら、この家のどこが一番嫌ですか? コメントでぜひ教えてください。
YouTubeでは、今回の家をHouse Flipper 2で再現した動画や、掃除・改装動画も投稿しています。 実際に家の中を歩くような感覚で楽しめるので、ぜひ「まね築 / unauyo」チャンネルもチェックしてみてください!